春は名のみの...

2月も終わりかけた日の朝、いつもの里山道を歩いたら坂道の脇の畑に煙が流れていた。
土手にはまだ霜柱が残っていたが、畑ではそろそろ春耕の準備が始まったようだ。

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逆光を受けた煙が木立の中できれいなストライブを描き、冬木のシルエットを見せてくれていた。

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このあたり、かっては斜面に段々畑が連なり、谷底には水田が一列に並んでいたようだ。
笹薮、蔦かずらが広がり、農具小屋も泡立ち草に埋もれているが、土地の起伏でそうと知れる。今は町と呼ばれる近くの集落の、貴重な耕作地だったのだろう。
耕す必要がなくなったのか耕す人がいなくなったのか、家庭菜園らしい畑だけが残っている。

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数年前には小さな梅林だったところに、枯れ草に紛れて一枝の白梅がほころんでいた。

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坂道を登りきったところの、日当たりの良い墓地の土手で一叢の水仙に花が咲いていた。

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